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2008年7月 9日 (水)

公務員が多すぎる?

080710shokuinshitsu

公立中学校教員の実感としては、「仕事量に比べて教員数が少なすぎる」というのが大半だと思います。

これに関連して、以下のような記事を見つけました。

「公務員が多すぎる!」か?

 

(@デザイン夜話6/26付)

 

のはてなブックマークでの反応を見るに、OECD国際比較によれば日本は人口1,000人当たり公務員数が極めて少ないことについての批判的立場としては、

 
  • 公益法人などを含んでいないベースであり、これを入れればもっと多くなるはず
  • 数は少なくても人件費が高いことが問題
  • 提供する公的サービスが問題 というものがあるようです。

以下、順に検証してみたいと思います。

ちなみに公務員の3人に1人は教員です(たしか)。

◆人件費

"既述した5割高いという官民比較は明らかに過大評価だが、公務員1人当り人件費は官民賃金格差の国際比較の観点からみても、高いといえるのではなかろうか"

との鈴木ペーパーの結論は、そのとおりなのでしょう。

おー、そうなんですね。我々は恵まれているのか・・・ありがたや。その分がんばって仕事しなきゃな。

しかし、住宅手当とかはどうなんでしょう?例えば私は家賃10万円程度のアパートに住んでいますが、住宅手当は1万円もありません。大学の友人の民間の方々は少なくとも5万円はもらっているようですが。

でも反面、時折批判の矢面にも立つ共済などの恩恵はあるのでしょう。個人的には、公務員を相手に商売することは「安全」で、それは公務員が築いてきた「信 用」でもあるので、それがお金の形で公務員に返ってくるのは、ある種の態度に対する正当な経済的報酬だと思うのですが、どうなんでしょう。

◆効率性

腐敗の程度で見ることが考えられます。

腐敗が少なければすなわち生産性が高いと決まっているわけではないでしょうけれども、大いに腐敗しているようでは効率的なサービス提供が行われているはずもなく、腐敗が少ないことが生産性が高いことの必要条件ではありましょう。

腐敗の尺度とし て国際的NGOのTransparency InternationalによるCPI(Corruption Perceptions Index)の2007年版を用いた場合・・・

日本はG5諸国中3位と中位にあります(イギリス8.4、ドイツ7.8、日本7.5、フランス7.3、アメリカ 7.2)。

調査対象179ヶ国全体の順位では17位ということで、OECD加盟国の中でもほぼ中位となります。

明らかに「日本が先進国中で腐敗がひどく効率的な公的サービス提供が行われているとは思えない」というわけではないのです。

教員の世界は、一昔前まではけっこう腐敗していたみたいです。教材や修学旅行先を選ぶときです。

しかし採用5年目の私が、民間の友人たちの話と比較した限りでは・・・がんばって働いていますよ!自分で言うのも何ですが。土日も部活があったりして月100時間はサービス残業していますし。

◆教育現場を外れると・・・

ただし、以上の話はすべて「教育」分野の「現場」の話です。分野としては他にも土木、都市、福祉、産業などがあるでしょうし、教育であっても教育委員会などはわかりません。

さらに言えば、日本の(特に土木分野の)公共政策には強い「所得再配分」的な要素がある気がします。その辺が不効率性の原因を作っているかもしれませんが、だからといって「公務員を減らせば問題が解決する」わけではないことは明らかだと思います。

リンク: 公務員数等の国際比較 - BI@K accelerated: hatena annex, bewaad.com.

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雑感:学校」カテゴリの記事

コメント

そちらの大学の卒業者の待遇を一般平均として考えるのは、そもそも無理があるかもしれませんね。

ちなみに私は住宅手当なんてもらったことがありません。逆に水商売などの業界では、何かにつけてペナルティを課し、給与から差っ引くのが当たり前だったりしますぜ。

投稿: sibata | 2008年7月 9日 (水) 21:20

sibataさんと同じこと思いました。

投稿: はる飯店 | 2008年7月10日 (木) 02:44

うーむ、なるほど。住宅手当というのは特殊なものなんですね。不勉強でした。すいません。

ペナルティってのは・・・なんだかひどい話のように思えますが、財務がカツカツの会社にとっては、そういう対処もあり得るのでしょうね。勉強になります。ありがとうございます。

投稿: rodan | 2008年7月10日 (木) 07:19

>公務員が多すぎる?
>公益法人などを含んでいないベースであり、これを入れればもっと多くなるはず

今一番問題なのは官が権限や天下り先を確保する為に、不要な規制を決めてその為の団体を作ったり、民間でも対応出来る分野を既得権化している事でしょう。

教育についても、公立学校に不満を持つ親や生徒が多い事も事実です。
既存の義務教育の価値は認めますが、グローバル化が進む現在、従来の教育システムでは不十分に思えます。
親・生徒の自己責任の下で、教育選択の幅を広げるべきです。
教師の問題と言うより、日本の教育行政の問題ですが。

>公立中学校教員の実感としては、「仕事量に比べて教員数が少なすぎる」

その仕事が生徒や親が求める生徒の為の仕事なのか、官僚的な組織防衛の為のアリバイ仕事ではないのか?
組織改革やシステム改革が出来ないのか?
作業を合理化・効率化出来ないのか?
生徒側の期待と学校側の現実との溝を埋める為の努力は十分なされているのか?

など、今の教育現場を知らない部外者の勝手な感想です。
無知による失礼が有ればお許し下さい。

投稿: 勉強の為の勉強は苦痛だった | 2008年7月11日 (金) 02:23

◆選択の幅を広げるべき

>親・生徒の自己責任の下で、教育選択の幅を広げるべきです。

国も(いちおう)同じ認識のようです。

平成10年に学校教育法が改正され、「教育選択の幅を広げる」法的な後押しは完了しています。

ただし、もっと重要な財政的な後押しはできていません。特色ある多様なカリキュラムを作成するには膨大な人件費がかかります。これが、現在、最大のネックになっています。

◎文科省は貧乏

まあ、はっきり言ってしまえば、文部科学省は(国交省や厚労省と比べて)貧乏なんです。やれやれ・・・

こればかりは、国民の皆さんに何とかしていただくしかありません。

◆仕事の内容はどうなのか?

>官僚的な組織防衛の為のアリバイ仕事ではないのか?

乱暴に言ってしまうと、その通りです。しかし、アリバイ仕事には良い側面もあると私は思います。

◎説明責任を果たす

ここ数年で中学校教員に最も重くのしかかっている事務仕事は成績処理です。端的に説明すると、説明資料を付けなければならなくなったのです(観点評価のことです)。

これは、教員が公務員であり国民に奉仕する公僕であることを考えると、むしろ当然すべきことであるともいえます。

◎資源がない

しかしですね、ここで問題が生じます。

まず、多くの中学校現場にはパソコンが支給されていません。あっても、多くの教員は表計算ソフトの使い方を知りません。さらに、使い方を教わる研修もありますが、倍率は高く、なかなかとれません。

結局、説明資料の作成に膨大な時間がかかってしまい、本業である授業+授業準備+生活指導を圧迫してしまうのです。

つまり、結論は一緒です。お金がないのです。

◎最後は国民にゆだねられる

我々は当然、良い教育をしたいと思っています。教員というのは、多かれ少なかれ、そういう人種です。

しかし、現場ではどうにもならないことがあります。それが予算です。

これは、国民の皆さんに何とかしていただくしかありません。

投稿: rodan | 2008年7月12日 (土) 09:23

教諭や常勤講師の皆さんの事実上の超過勤務の山については、頭の下がる思いです。

ただ、役所も民間もPCが必要な時代になったら、いきなり一斉支給されるなどといった事実はなくて、支給までは、仕事をするために仕事用オンリーのPCを自腹で買って職場に常置したりしていたわけです。
もちろん、Excelなんて独学ですよ。仕事に使える関数やExcelでの説明資料作成なんて、講習じゃ教われませんし、講習待っていたら、仕事なんて回りませんから。

 中学校の先生は今日からの夏休み期間中は部活指導・研修以外、普段よりは比較的時間があるはずですから、いつもと同じ在校時間を取られて、ExcelやWordの学習、指導案作成、授業計画作成等をされては如何でしょうか。

投稿: ぽんた | 2008年7月19日 (土) 13:22

>仕事用オンリーのPCを自腹で買って職場に常置

なんと・・・同じですね。これは失礼しました。結局は予算ですね。でも、どの行政にもお金がないのが、この国の実情(涙)。

怖い話ですが、本当は人件費が真犯人なのかもしれません。

>今日からの夏休み期間中は

時節ネタありがとうございます。正直に言えば、おっしゃるとおり、夏休み期間中の教員の勤務状態はあまり良くないと思います。

乱暴に言えば、夏休み中の給料はいりません。その代わり、残業代は出して欲しいと思います。

◎部活

ただし、そうすると部活の位置づけを明確にしなければなりません。これは現状では無理でしょうし、個人的には曖昧にしておいた方が良いと思います。

現状の部活は、完全に教員の<良心>で成立しています。これを<仕事>としてやるように制度化してしまうと、失われるものが多い気がしますし、支払う人件費も行政にはないでしょう。曖昧な現状が、いちばん国民のために良い気がします。

念のため補足しておくと、部活は、特に治安の悪い地域では治安改善に寄与していると思います。

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現実として教員の給料はそういうものだと学校現場の多くの教員は考えているようです。

ちなみに講習はいつも夏休み期間中にあります。授業期間中に講習を受けることが不可能だという「学校現場」の現実は、特にぽんたさんのようなまじめな役人の方々にはお知りおきいただきたいと思います。

コメントありがとうございました。勉強になりますので、今後ともよろしくお願いします。

投稿: rodan | 2008年7月20日 (日) 10:18

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